補足  人称変化のバリエーション

◆は発展的内容

■ 口調上の e 動詞の語幹が t および d で終わる場合，du, er, ihr で口調上の e を挿入する。 arbeiten  働く   ich   arbeite   wir   arbeiten     du   arbeitest     ihr   arbeitet     er arbeitet   sie   arbeiten     ◆ 口調上の e，やや特殊な場合 動詞の語幹が l, r 以外の子音＋ m, n で終わる場合も口調上の e を挿入する。 öffnen  開く   ich   öffne   wir   öffnen     du   öffnest     ihr   öffnet     er öffnet   sie   öffnen       ■ du で -t のみ 動詞の語幹が [s] や [ts] の音で終わる場合，du で -t のみを付ける（つづりとしては，-s, -ß, -z, -tz, -x のあと）。 heißen  ～という名前である   ich   heiße   wir   heißen     du   heißt     ihr   heißt   er heißt   sie   heißen     Wie heißt du?  君は何という名前なの?      注意  名前を聞くときの疑問視は，was〈何〉ではなく，wie〈どのように〉を用いる。      参考  最近では sch [ʃ] のあとでも，du で -t のみを付けることが増えている。ただし，今のところ誤用とされている。     Nascht du gern?  君は甘いものをつまむのが好きですか。（正しくは du naschst とされる）     Du überrascht mich.  君は僕を驚かせる。（正しくは du überraschst とされる）     ◆ -eln/-ern タイプの動詞 不定形が –en ではなく，–n で終わる動詞もある。これらのうち –eln で終わる動詞では，ふつう ich で e が省かれる。また，–ern で終わる動詞の一部でも e が省かれる場合がある。 sammeln  集める   ich   sammle   wir   sammeln       du   sammelst       ihr   sammelt     er sammelt   sie   sammeln bedauern  後悔する   ich   bedaure    wir   bedauern       du   bedauerst   ihr   bedauert     er bedauert     sie   bedauern        参考  このほかに，語末の e を省く ich sammel という形も頻繁に用いられる。また，頻度は低いが ich sammele も間違いではない。つまり3パターンの形が存在することになるが，それぞれの形の頻度は，実際には動詞ごとに異なる。     Ich sammle/sammel/sammele Briefmarken.  私は切手を集めている。      参考  -ern 動詞で -e が省かれやすいのは，厳密に言うと，アクセントのある語幹の音節が母音で終わる場合。そうでない場合，e が省かれるのはまれ。     ändern  変える  ▶  ich ändere （ich ändre はまれ，ただし口語ではしばしば ich änder という形も用いられる）

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