試合当日のお昼，ニュルンベルクの町を歩いていたら，あるホテルの横で偶然HSVのバスを見かけた。ちょっとうれしい。 ブンデスリーガ2004/2005年シーズン第20節，1.FCニュルンベルク（FCN）はホームにハンブルガーSV（HSV）を迎える。19節終了時の順位はニュルンベルクが11位，ハンブルクが9位。名門HSVはスタートでつまずき上位争いに遅れをとっているが，ニュルンベルクの目標はあくまで一部残留。

ニュルンベルクのホームスタジアムはフランケンシュターディオン。約4万5千人収容で，2006年ドイツワールドカップのスタジアムの一つ。ホーム側はノルトクルヴェ（Nordkurve）と呼ばれる北側のゴール裏。今日もチームカラーの赤で染まる。

南側のアウェー席は対照的にHSVの青が眩しい。 ところで，ニュルンベルクはドイツではクルップ（Club）という愛称で呼ばれる。1920年代に圧倒的な強さを誇り，Clubというだけでニュルンベルクを指すようになった。一方，HSVの愛称は赤パンツ（Rothosen）。日本語にすると微妙。

スターティングメンバーに高原の名前が並ぶ。 そう言えば，僕は偶然にも（？）高原の日本での最後の試合を見ている。天皇杯の何回戦かで，ジュビロ磐田対大分トリニータの試合だった。場所は鳥取バードスタジアム。探してみたらそのときの写真があった。対大分戦（2002年12月22日）の高原。

Zurück zum Frankenstadion. 鳥取からニュルンベルクに戻ろう。僕の予想（希望）では，今日の試合は高原がハットトリックを決めるも，4対3でニュルンベルクの勝ち。いやあ，惜しかったハンブルク。 無駄口をたたいている間に選手入場。

2月5日（土），15:30キックオフのデーゲーム。高原によるキックオフで試合開始。

ボールを持った選手の直前に見えるのが高原。背後のスペースをうかがう。

ヘディングで競り合う高原。

あまり写真ばかり撮っていると試合に集中できないのでこの辺で。

という間に高原のゴールで0対1。おいおい。場内はもちろんブーイング（でもまあ見事なゴールだった）。

後半開始早々再び高原のゴールで0対2。場内に「ゴールは再び高原……」（Der Torschütze erneut Takahara ...）と，ぼそっとしたアナウンスが入る（でも巧いゴールだった）。

結局1対3でニュルンベルク敗れる。これで高原が波に乗ったらClubのお陰だ。日本ではきっと高原の活躍が大きく取り上げられるのだろう。そしてニュルンベルクが再び順位を落としたことを誰も知らない。 けれど帰りの電車の中では，マインツに勝てばいいさ，レーヴァークーゼンに勝てばいいさ，いやいや，シャルケに！  バイエルンに！  とファンはあくまで楽観的だった。